①保育士を仕事に選んだ理由はなんですか?
10年ほど前、空調メーカーで勤務している時、
ボランティアバンドに4年ほど参加させて頂いていました。
そのバンドで月1、2回ほど高齢者施設・保育園・養護施設などで演奏していました。ライブでおじいちゃんおばあちゃんには「生きててよかった」、子どもたちには「またきてね〜」と言ってもらって、ものすごく心が揺さぶられました。
こんな楽しい活動なら、一生ライブして生きていきたいわ〜!と心から思っていました。普段はパソコン相手に設計とか積算っていう仕事をしていたけれど、「そうか、人と関わることの方が悦びを感じるんだ!」と、バンド活動を通して気がつきました。
仕事のストレスが高まってきたタイミングで、3.11が発生。
「自分にしかできないことってなんだろう」
「一度きりの人生、どう生きたい?」と、
”生きる”ということを考えるようになり、会社を退職しました。
その後しばらく、”人の役に立つことがしたい”といろんなところに足を運んでみたものの、どれもしっくり来ず。退職金も底をつき、同時に身体の至る所を壊しました。「あ〜、もう終わったな・・・」と思ってベッドで涙してたときに、全部失って”なにもない”と思ったけど、そうではなくて。
これまでの人生で、家族やかけがえのない仲間がいてくれたおかげで、今の自分があるんだ。そうか!大切なものは、はじめからぜんぶあったんだ!と、スーっと腑におちてきました。”人のため”って考えていたけど、そうじゃなくて、”じぶんの悦び”のために、生きてもいいんだなと。自分が幸せなら、周りの人も自然と幸せになっていくんだろうなと。そう自然に理解できました。
ようやく地に足がついてきて、「保育や介護をやろうと思ってたけど、考えてみれば知識も経験も全くないやんか」ということに気がついて。まずは現場に立ってみようと思い立ち、流れでスッと決まったのが保育の仕事でした。そこからは、子どもたちと過ごす日々にどっぷりです。
②きのねで働こうと思った理由はなんですか?
自分の人生を生きようと考え始めてから、”直感を大事に生きよう”とゆるく決めました。
その影響もあり、パートナーと共に埼玉→横浜→長野→熊本と1年間隔で引っ越しを繰り返し、昨年4月に3年ぶりに横浜に戻ってくることになりました。
幸い、3年という短い保育経験の中でも、ちょっと変わった園を経験させて頂くことができ、”自然”とか”自分らしく”とか、そいういうことを大事に考えるようになりました。
横浜に戻り、いろんな保育園を探してみてもなかなか「ここ!」というところが見つからなくて。そんな時に、きのねスタッフのペロさんがきのねを紹介してくれました。
見学に行ってよっしーと話し、等身大というか人間らしい人が多くて、ここでならそのまんまの自分で子どもたちと関われる!って感じはしたものの、その頃は園児も少なくて。
一旦話は流れ、別の園での内定を頂きました。
しかし働き始めて3日目で断念(笑)その間もよっしーやりんりんは何度も話を聞いて下さり、ついにご縁が繋がって、6月からきのねに入れることになったのでした。ありがたいです。
③きのねらしさとはどんな風に感じていますか?
子どもたちだけでなく、大人も自分らしくいていいところ。
変に「子どものため」というわけではなく、大人が「私が楽しいから」と遊んでいると、その面白そうな雰囲気を感じて、子どもたちが入ってきたり、来なかったり(笑)
名前のないあそびを、子どもたちはよくやっています。でも、あそびって本来そうだよな〜と思います。
グレーゾーンが多い。白黒はっきりしてないので、ある意味難しいけど、人ってそうですよね。同じ出来事でも白と思う人もいれば黒と思う人もいる。それでいいと思うし、「私はこう思う」が尊重されるから、それでOKになっている。そういう人間臭い感じが、人として味があって面白いなと思います。
大人が子どもに対して「いやだ」ということもある。子どもから言われる「いやだ」は大歓迎。お互い「いやだ」って言いあえるくらいがちょうどいい、そんな雰囲気。
親同士がすごく仲良し!
なぜか一風変わった大人が多い。子どもたちも個性が強い(笑)
④子ども達にとってどんな存在でありたいですか?
ちょっと変なおじさん!「なんだ、こんな大人もいるのか〜」って人。
上下関係ではなくて、たださんたは”さんた”という、一人の人間でありたい。
でも最終的には、子どもたちの見たいように、見えるように見てくれたらいいなと思います。子どもたちは結局背中や生き様を見ているから、どう見られたいかより、自分自身が ”どう生きるか” は意識しますね。
⑤日々の保育で、気をつけている事・心がけている事はなんですか?
大人も子どもも、お互い無理しない。感情や気持ちを出す。
大人も子どもも、たっぷり感じ、考え、自分の想いを表現できるように。
まずは大人がたのしんじゃえ!
”大人の都合”で動いていないかを考える(まだまだです)
いろんなことに対して、「なんで?」「そもそも」を持ち続ける。
”自分の心”の動きを見つめ、どうしてそう感じるのか、感じたのかを振り返る。
子どものこころの真ん中に意識をつなげる。
こころを触れあわせる。かよわせる。繋げる。
大人同士、できるだけよく話す。
考えるより、感じていきたい!
子どもの言葉やこころの声をできるだけ聴く。
子どもに求めることは、まずは自分ができるように。
他にもいっぱいありますが、ありすぎて自分でも理解・言語化できていません。
⑥どんな保育園を子どもや親とつくっていきたいですか?
親と保育者の見分けがつかない。
誰が誰の子かわからない。みんなが我が子みたいな感覚。
いつでも帰ってこれる場。誰もが垣根なく集まれる場。排他的ではなく、ラフなコミュニティでありたい。
モヤモヤしてなくて風通しがよく、やわらかな悦びのエネルギーで回っている場。
大人みんなで子を育て、大人みんなで子に教わる。
子どもの自ら育つ力・育とうとする力・生きる力のねっこを、みんなで信じ、時に支える。大人たちも信じて支えあう。
変化を受け入れ続けられる場。
保育者だけで保育はできない。親御さんの声を聴き続けたい。地域の方の声も、もちろん、子どもたちの声はなにより大事!